仕事を覚えるのが遅い人へ。周りと比べて落ち込む前に見直したいこと
仕事を始めたばかりの頃は、覚えることが多くて不安になることがあります。
「自分だけ覚えるのが遅い気がする」
「同期や他のアルバイトはもうできているのに、自分はまだ確認している」
「何度も教えてもらっているのに、また聞いたら迷惑かもしれない」
そんなふうに感じると、仕事に行く前から気持ちが重くなることもあります。
特に新人やアルバイトの時期は、周りと比べてしまいやすいです。
同じ日に入った人が先に仕事を覚えている。
後から入った人の方が動きが早い。
自分だけ何度も確認している気がする。
そうなると、「自分は仕事ができないのかもしれない」と落ち込んでしまいます。
でも、仕事を覚えるのが遅いことと、仕事ができないことは同じではありません。
もちろん、覚える努力をしなくていいという意味ではありません。
分からないことを放置したり、確認せずに進めたりすれば、ミスにつながります。
ただ、最初から周りと同じスピードで覚えられないからといって、自分を責めすぎる必要はありません。
大切なのは、覚える速さだけではなく、覚える順番や確認の仕方を見直すことだと思います。
仕事を覚える速さには個人差がある

私自身、コンビニフランチャイズの店舗運営をしていた頃、新人やアルバイトの教育をしていました。
その中には、仕事を覚えるのが早いスタッフもいれば、時間がかかるスタッフもいました。
一度説明しただけで流れをつかむ人もいます。
何度か同じ場面を経験して、少しずつ覚えていく人もいます。
メモを見ながら確認しないと不安な人もいます。
当時感じていたのは、最初に覚えるのが早い人が、必ずしも最後まで安定して働けるとは限らないということです。
逆に、最初は仕事が遅くても、確認をきちんとしてくれる人は少しずつ伸びていきました。
こちらが伝えたアドバイスをメモする。
メモを見て、さらに分からないところを確認する。
不安な作業をそのまま進めず、一度止まって聞く。
そういうスタッフは、最初は時間がかかっても、だんだん安心して任せられるようになることがありました。
レジ操作は遅くても、接客が丁寧な人もいました。
反対に、作業は早くても確認が雑で、ミスを見直さない人もいました。
仕事では、スピードも大切です。
ただ、スピードだけで人を判断するのは危ないと思います。
仕事が遅い人でも、要領や工夫を身につければ、少しずつ効率は上がります。
最初から作業スピードが速い人が、さらに工夫や要領を身につけた場合には、追いつくのが難しいこともあるかもしれません。
それでも、確認する習慣や見直す姿勢がある人は、仕事として支障が出るほど遅いまま止まるとは限りません。
むしろ、最初にできると思い込みすぎて、ミスを見直さない人の方が、後から伸びにくいこともあります。
覚えるのが遅い人が苦しくなりやすい理由

仕事を覚えるのが遅いと感じる人は、ただ記憶力が悪いだけとは限りません。
苦しくなる原因は、覚える力そのものよりも、覚え方や考え方にある場合があります。
最初から全部覚えようとしている
新人の頃は、仕事の全体像が分かりません。
何が大事で、何が後から覚えればいいことなのか。
どこまで自分で判断してよくて、どこから確認が必要なのか。
何を間違えると大きな問題になるのか。
それが分からないまま、全部を同じように覚えようとすると苦しくなります。
仕事には、毎日必ずやる作業もあれば、たまにしか出てこない例外対応もあります。
絶対に間違えてはいけないこともあれば、慣れてから少しずつ覚えればいいこともあります。
それを全部まとめて覚えようとすると、頭の中がいっぱいになります。
結果として、本当に大事なことまで抜けてしまうことがあります。
周りと比べすぎて焦ってしまう
周りと比べること自体が悪いわけではありません。
「あの人はどうやって覚えているんだろう」
「自分にも真似できる部分はないかな」
そう考えられるなら、比較は成長につながります。
でも、比べるたびに「自分はダメだ」と思ってしまうと、焦りだけが強くなります。
焦ると、確認が雑になります。
早く終わらせようとして、手順を飛ばしてしまいます。
聞けば防げたことを、自分だけで進めてしまうこともあります。
仕事を覚えるのが遅いと感じている時ほど、早くしようとするより、まずは正確に進めることを意識した方がいい場合があります。
自分の苦手な部分だけを見ている
仕事には、人によって得意不得意があります。
私自身も、今の仕事で周りと比べて焦ったことがあります。
同僚に、もともと営業職を経験していた人がいました。
その人は、メールの文章や報告の仕方がとても上手でした。
ビジネスで使う言葉の選び方。
上司への伝え方。
相手に分かりやすく整理する力。
そういう部分で、自分との差を感じました。
私は、コンビニ時代にお客様と直接話したり、現場で信頼関係を作ったりすることは比較的得意でした。
でも、メール業務や報告文の作り方は、経験が浅く、劣っていると感じる場面がありました。
その時は、正直しんどかったです。
ただ、そこで「自分はダメだ」と終わらせず、その人の作った文章や伝え方を見て学ぶようにしました。
その中で感じたのは、報告や相談にも、ある程度の型があるということです。
結論から話すこと。
事実と自分の考えを分けること。
相手が判断しやすい順番で伝えること。
こうした基本を知っていると、上司への報告や相談で何を意識すればいいのかを考えやすくなります。
報告や相談でつまずきやすい理由や、ビジネス書で仕事の型を知る意味については、こちらの記事でも整理しています。
関連記事:新社会人が報告や相談でつまずく理由。ビジネス書で仕事の型を知る考え方
自分に足りないものを認めて、吸収できるものは吸収する。
そう考えると、劣等感も成長のきっかけになります。
周りと比べて落ち込むことはあります。
でも、比べた相手をただ羨ましがるだけでなく、「何を真似できるか」を見られると、少しずつ自分の力になります。
まず覚えるべきなのは「全部」ではなく「優先順位」

仕事を覚えるのが遅いと感じた時は、まず全部を覚えようとするのをやめた方がいいです。
代わりに、覚える順番を整理します。
最初に覚えるべきなのは、細かい応用ではありません。
まずは、絶対に間違えてはいけないこと。
そして、毎回必ずやることです。
絶対に間違えてはいけないこと
職場によって違いますが、たとえば次のようなものです。
お金に関わること。
お客様や取引先に迷惑がかかること。
安全や衛生に関わること。
個人情報に関わること。
自分だけで判断してはいけないこと。
こういう作業は、慣れるまで確認してもいい部分です。
むしろ、不安なまま進める方が危ないです。
「これだけは間違えたら大きな問題になる」
「ここは必ず確認する」
「この場面は自分で判断しない」
そういう基準を先に持っておくと、仕事中の不安が少し減ります。
毎回必ずやること
次に覚えるのは、毎回出てくる作業です。
出勤後にやること。
作業前に確認すること。
作業後に片付けること。
報告が必要な場面。
締め作業や確認作業。
毎回やることを把握できれば、仕事全体が少しずつ楽になります。
反対に、毎回やることが曖昧なままだと、仕事のたびに不安になります。
「今日は何からすればいいんだっけ」
「この作業の後は何を確認するんだっけ」
毎回そこで迷うと、疲れます。
だからこそ、まずは繰り返し出てくる基本の流れを固めることが大切です。
なお、作業が終わった後に「次に何をすればいいか分からない」と悩んでいる方は、
別記事の「新人で何をすればいいか分からない時の動き方。指示待ちになりすぎないために考えたいこと」でも、手が空いた時に確認しながら動く考え方を書いています。
慣れてから覚えればいいこともある
仕事には、最初から全部覚えなくてもいいこともあります。
たまにしか起きない例外対応。
ベテランが感覚でやっている細かい工夫。
状況によって判断が変わる応用的な対応。
こういうものまで最初から完璧に覚えようとすると、負担が大きくなります。
もちろん、聞いたことを全部忘れていいわけではありません。
ただ、最初から同じ重さで抱え込まなくていいということです。
「今すぐ覚えること」と「慣れてから覚えること」を分けるだけでも、気持ちはかなり変わります。
覚えられない部分は、メモと確認で補っていい

仕事は、頭の中だけで覚えなくてもいいと思います。
特に最初のうちは、メモや確認手順を使って補うことも大切です。
ただし、メモを取るだけで安心してしまうと、あまり意味がありません。
メモは、覚えた気になるためではなく、次に同じ場面で確認するために使うものです。
分からなかったことを書く。
注意された内容を書く。
次に迷いそうな場面を書く。
確認が必要なポイントを書く。
そして、次に同じ作業をする時に見返します。
メモを取っているのに同じミスをしてしまう場合は、メモの残し方だけでなく、見返すタイミングも見直した方がいいかもしれません。
私自身も、一度で全部覚えようとするより、メモや確認手順を使って補うようにしています。
注意された内容や、分からなかったことを整理しておく。
次に同じ場面で迷わないようにする。
不安な部分は確認しながら進める。
覚えたかどうかだけでなく、確認しながら正確に進められるかも大切だと感じています。
仕事を覚えるのが遅い人ほど、「確認することは悪いこと」と思いすぎない方がいいです。
もちろん、何度も同じことを何も考えずに聞くのはよくありません。
でも、メモを見たうえで確認したり、自分なりに整理してから聞いたりするなら、それは前に進むための確認です。
確認したいけれど聞き方に迷う場合は、質問の仕方を少し整えるだけでも印象は変わります。
「できていないこと」だけでなく「できるようになったこと」も見る
仕事を覚えるのが遅いと感じている時は、できていないことばかり目につきます。
まだ一人でできない。
まだ確認している。
まだ時間がかかる。
まだ周りより遅い。
そう考えると、どんどん苦しくなります。
でも、少し見方を変えると、前よりできるようになっていることもあるはずです。
昨日より迷わずできた作業。
前回より確認回数が減った作業。
以前は聞いていたけれど、自分で進められた作業。
ミスしそうな場面で、一度止まって確認できたこと。
こういう小さな変化も、仕事を覚えている証拠です。
最初から完璧にできるかどうかだけを見ると、苦しくなります。
大切なのは、昨日より少しでもできることが増えているか。
同じ場面で、前より落ち着いて対応できるようになっているか。
分からない時に、放置せず確認できるようになっているか。
仕事を覚えるというのは、ただ頭に入れることだけではありません。
必要な時に確認しながら、少しずつ正確に動けるようになることでもあります。
注意された後に落ち込みすぎてしまう場合は、受け止め方を整理することも大切です。
教える側の伝え方も大切

仕事を覚えるのが遅い原因は、本人だけにあるとは限りません。
教える側が、何を優先して覚えればいいのかを伝えられていないこともあります。
「これを覚えておいて」
「前にも言ったよね」
「早く慣れて」
そう言われても、新人側からすると、何が一番大事なのか分からない場合があります。
私自身、教える側としても、どこまで覚えればよいのか、何を優先すればよいのかを伝えることが大切だと感じていました。
これは絶対に間違えないでほしいこと。
これは毎回確認してほしいこと。
これは慣れてから覚えればいいこと。
これは分からなければ必ず聞いてほしいこと。
こうやって分けて伝えると、新人やアルバイトは動きやすくなります。
だから、もし仕事を覚えるのが遅いと感じているなら、自分の中でも整理してみてください。
「今、最優先で覚えるべきことは何ですか」
「ここだけは間違えない方がいい部分はどこですか」
「慣れるまでは確認してもいい作業はありますか」
このように確認できると、ただ不安なまま覚えようとするより、進みやすくなります。
仕事を覚えるのが遅いと感じた時に見直したいこと

仕事を覚えるのが遅いと感じた時は、自分を責める前に、次のことを見直してみてください。
まず、何を最優先で覚えるべきか。
全部を同じ重さで覚えようとしていないか。
次に、毎回やる作業の流れを整理できているか。
毎回迷う部分があるなら、そこをメモや手順にしておく必要があります。
そして、不安な作業を確認できる形にしているか。
頭の中だけで覚えようとして、余計に不安になっていないか。
最後に、周りと比べすぎていないか。
比べるなら、「自分はダメだ」と落ち込むためではなく、真似できる部分を探すために比べた方がいいです。
仕事を覚えるのが遅い人に必要なのは、気合いだけではありません。
覚える順番を決めること。
確認する方法を作ること。
できるようになったことを見つけること。
この3つを整理するだけでも、少しずつ仕事は進めやすくなると思います。
まとめ

仕事を覚えるのが遅いと感じると、自信をなくしてしまいます。
周りと比べて落ち込んだり、自分だけ迷惑をかけているように感じたりすることもあると思います。
でも、覚えるのが遅いことだけで、仕事ができないと決まるわけではありません。
最初は時間がかかっても、確認をきちんとする人は少しずつ伸びていきます。
作業が遅くても、丁寧さや見直す姿勢がある人は、安心して任せられるようになることがあります。
反対に、最初から早くできても、ミスを見直さなかったり、工夫しなかったりすれば、そこで成長が止まることもあります。
仕事を覚えるのが遅いと感じた時は、まず覚える順番を整理してみてください。
絶対に間違えてはいけないことから覚える。
毎回やる作業を安定させる。
分からない部分は、メモや確認で補う。
昨日より少しでもできることが増えているかを見る。
大切なのは、最初から完璧に覚えることではありません。
確認しながら、正確にできることを少しずつ増やしていくことだと思います。

