アルバイトがすぐ辞める職場で見直したこと。定着率を上げる3つのポイント

アルバイトを採用しても、仕事を覚える前に辞めてしまう。

新人が入るたびに一から教え直し、空いたシフトには自分が入る。

私はコンビニフランチャイズ店舗の運営を通じて、80人以上の採用や育成に関わってきましたが、その中でも人がなかなか定着せず、店長である自分が休みを減らして現場を支えていた時期がありました。

しかし、店長がシフトの穴を埋め続けても、アルバイトが辞めやすい状態そのものは変わりませんでした。

もちろん、アルバイトが辞める理由には、卒業や引っ越し、家庭の事情など、店側では変えられないものもあります。

ただ、新人が同じ時期に繰り返し辞めたり、仕事ができる人にばかり負担が偏ったりしている場合は、本人のやる気だけでなく、職場側にも見直せる部分があります。

私が実際に見直したのは、主に次の3つでした。

  • 仕事の指示だけになっていたコミュニケーション
  • 新人が迷わないための教え方
  • シフトの組み合わせと、スタッフごとの負担

すべてを変えれば誰も辞めなくなる、という話ではありません。

それでも、誰がどの段階で辞めているのかを確認し、同じ問題を繰り返さないようにすることで、店舗運営は少しずつ安定していきました。

この記事では、アルバイトが辞めやすい時に確認したいことと、私が定着率を上げるために見直した3つのポイントを、店舗運営の経験をもとに整理します。

アルバイトがすぐ辞める時は、退職理由と辞める時期を分けて考える

アルバイトが辞めた時、すべての原因を職場側に求める必要はありません。

卒業や就職、引っ越し、家庭の事情、体調など、店長が関わり方を変えても防げない退職はあります。

本人が詳しい理由を話したくないこともあるため、退職理由を無理に聞き出すのも適切ではないと思います。

一方で、同じような立場の人が同じ時期に辞めている場合は、本人の事情だけでなく、職場の中で繰り返されている問題がないか確認した方がよいです。

私も以前は、退職の申し出を受けるたびに、その人個人の事情として考えていました。

しかし、何人かの退職が続いた時に振り返ると、辞める人やタイミングに共通点があることに気づきました。

入社直後に辞める人が多い場合

入社して数回から1か月ほどで辞める人が続く場合は、採用した人の根気だけでなく、最初の受け入れ方を確認する必要があります。

例えば、

  • 最初から忙しい時間帯に入れている
  • 教える人が決まっていない
  • 人によって説明する内容が違う
  • 分からない時に誰へ聞けばよいか分からない
  • ミスをした時だけ声をかけている

といった状態です。

新人は、仕事内容だけでなく、職場の人間関係や暗黙のルールも分からない状態で働き始めます。

既存スタッフにとって当たり前のことでも、新人には説明されなければ分かりません。

入社直後の退職が続く時は、「最近の人は続かない」と判断する前に、最初の数回の勤務で新人がどのように扱われているかを見る必要があります。

新人への声のかけ方や、質問しやすい雰囲気の作り方、小さな成功体験を作る考え方については、「新人アルバイトが育つ職場の特徴。最初の関わり方で変わること」で詳しく整理しています。

仕事を覚えた頃に辞める人が多い場合

入社直後ではなく、ある程度仕事ができるようになってから辞める人が多い場合は、別の原因が考えられます。

仕事を覚えた人には、任せられる作業が増えていきます。

店長からすると成長してくれた結果ですが、本人から見ると、

「できるようになった分だけ仕事が増えた」

「責任は増えたのに、評価は変わらない」

「困った時だけ頼られる」

と感じていることがあります。

特に、まじめに働く人や頼まれたことを断りにくい人は、不満を表に出さないまま働き続けることがあります。

そのため、突然退職を申し出たように見えても、本人の中では長い間負担が積み重なっていた可能性があります。

仕事を覚えた頃の退職が続く場合は、仕事量だけが増えていないか、頑張りを当然だと思っていないかを振り返る必要があります。

できる人や支えてくれる人が辞める場合

職場にとって特に影響が大きいのが、仕事ができる人や、新人教育を支えてくれていた人の退職です。

仕事が早く、急なシフト変更にも協力してくれる人がいると、店長はどうしても頼りたくなります。

私自身も、信頼できるスタッフが育った時に、さまざまな仕事を任せていました。

しかし、頼れる人ほど問題なく働いているように見えるため、負担に気づくのが遅れることがあります。

  • 新人教育を毎回任せている
  • 忙しい時間帯に偏って入ってもらっている
  • 急な欠勤のたびに連絡している
  • 他のスタッフがしない仕事まで任せている
  • 本人が断らないことに甘えている

こうした状態が続けば、本人が職場を支えてくれていても、不公平感や疲労は積み重なります。

定着率を考える時は、辞めそうに見える人だけでなく、今の職場を支えている人に負担が偏っていないかを見ることも大切です。

退職理由だけを聞いても、職場の問題がすべて分かるとは限りません。

誰が、どのくらい働いた時点で辞めているのか。

その人に、どのような仕事やシフトが集中していたのか。

退職が続いた時は、一人ずつの理由だけでなく、こうした共通点を振り返ることで、店側で見直せる部分が見えやすくなります。

私がアルバイトの定着率を上げるために見直した3つのこと

退職が続いた時、私は採用する人の選び方だけでなく、採用した後の職場にも目を向けるようになりました。

人手が足りない状況では、目の前のシフトを埋めることが優先になりやすく、新人や既存スタッフがどのような状態で働いているかまで見る余裕がなくなります。

私自身も、忙しい時ほど仕事を回すことに意識が向き、結果としてスタッフとの会話や教え方、シフトの組み合わせが後回しになっていました。

そこで見直したのが、次の3つです。

  • 仕事の指示だけになっていたコミュニケーション
  • 新人が迷わないための教え方
  • 人の組み合わせと負担を考えたシフト

どれか一つを変えただけで、急に全員が辞めなくなったわけではありません。

ただ、同じ問題を繰り返さないように一つずつ見直したことで、新人が職場に慣れやすくなり、既存スタッフへの負担にも気づきやすくなりました。

1.仕事の指示だけになっていたコミュニケーション

最初に見直したのは、アルバイトとのコミュニケーションでした。

以前の私は、仕事に必要な指示や注意はしていても、相手の状態を知るための会話は十分にできていませんでした。

忙しい時間帯では、どうしても、

「次はこれをお願い」

「先にこちらを終わらせて」

「そこはこのやり方でして」

という業務上のやり取りが中心になります。

指示を出すこと自体は必要です。

ただ、それだけが続くと、スタッフから見た店長は「仕事を振る人」「間違えた時に注意する人」になりやすくなります。

特に新人は、仕事を覚えられるかだけでなく、

  • この職場に馴染めているか
  • 周りに迷惑をかけていないか
  • 分からないことを聞いても大丈夫か

といった不安を抱えていることがあります。

そこで私は、長い面談を設けるのではなく、普段の勤務中に短い会話を増やすようにしました。

例えば、

「学校との両立は大丈夫そう?」

「最近、この時間帯が続いているけど負担になっていない?」

「前に難しいと言っていた作業は慣れてきた?」

といった確認です。

無理に私生活へ踏み込む必要はありません。

普段から少し会話をしておくことで、本人が困った時に相談するきっかけを作れます。

私も以前は、退職の申し出を受けてから初めて、学校との両立や人間関係に悩んでいたことを知る場合がありました。

退職前にすべての悩みを話してもらえるわけではありません。

それでも、会話やシフト希望など、普段と違う状態が続いた時に、仕事や勤務の負担がないか確認することはできます。

ただし、表情が暗い、返事が少ないといった一つの変化だけで、「辞めようとしている」と決めつけるべきではありません。

学校や家庭の事情で疲れていることもあります。

あくまで、相手の状態を確認するきっかけとして考えていました。

また、できていないことだけでなく、できている行動にも言葉をかけるようにしました。

「忙しい時間帯に周りを見てくれて助かった」

「前に伝えたことを覚えていてくれたね」

「新人が質問しやすいように声をかけてくれていたね」

といった具体的な伝え方です。

大げさに褒めるというより、本人の行動を見ていたことを伝える感覚に近いです。

具体的な行動を言葉にすると、本人が評価されている点だけでなく、職場で求められている動きも伝わりやすくなります。

一方で、関係を良くしようとして、店長とアルバイトの距離を近づけすぎることにも注意が必要です。

私も、関係を悪くしたくないという気持ちから、言うべきことを後回しにした経験がありました。

必要なのは、何でも許すことではありません。

良い行動は具体的に伝え、直してほしい部分は仕事上の基準として伝えられる関係です。

同じ言葉をかけても、何を目的に働いているかによって、受け取り方が異なることがあります。

安定した収入を重視する人もいれば、趣味や遊びのために働く人、成長や経験を重視する人もいます。

相手を一つのタイプに決めつけることはできませんが、働く理由を知ることで、声のかけ方や仕事の任せ方を考えやすくなります。

アルバイトの働く理由を4つに分けて考えた接し方については、「アルバイトがすぐ辞める原因とは?定着率を上げるために私が意識した4つのタイプ」で詳しく整理しています。

2.新人が迷わないように教え方の基準をそろえた

次に見直したのは、新人への教え方です。

店舗では、店長がすべての新人に付きっきりで教えることはできません。

私も既存スタッフに新人教育を任せていましたが、以前は「仕事ができる人なら教えられるだろう」と考え、教える内容や順番を十分に共有していませんでした。

その結果、教える人によって説明が変わることがありました。

ある人から教わった方法で作業したのに、別の人からは「そのやり方は違う」と注意される。

昨日は何も言われなかったことを、今日は強く指摘される。

新人からすると、誰の説明に合わせればよいのか分かりません。

私自身も、新人の動きを見て、

「前にも教えたのに、なぜできないのだろう」

と思ったことがあります。

しかし確認してみると、新人が覚えていないのではなく、教える人によって手順や優先順位が違っていた場合もありました。

そこで、すべての作業方法を細かく統一するのではなく、新人が迷いやすい部分について、最低限の基準を共有するようにしました。

例えば、

  • 最初に覚えてほしい仕事
  • 忙しい時に優先する仕事
  • 分からない時に確認する相手
  • 自分で判断せず報告してほしいこと
  • 特に間違えやすい作業

といった部分です。

細かな仕事の進め方には、人による違いがあってもよいと思います。

ただし、職場として外してほしくない基準まで人によって変わると、新人は安心して仕事を覚えられません。

また、教えた直後にできなかったからといって、すぐに「覚える気がない」と判断しないようにしました。

説明を聞いている時は分かったつもりでも、実際に一人で作業すると、分からない部分が出てくることがあります。

そのため、同じ質問やミスが続いた時は、新人本人だけでなく、

「説明が分かりにくくなかったか」

「教える人によって言い方が変わっていなかったか」

「一度に多くのことを任せすぎていなかったか」

も振り返るようにしました。

教え方の基準をそろえることで、新人が違う指示を受けて混乱する場面を減らしやすくなります。

教えるスタッフ側も、どこまでを共通して伝えるべきか分かるため、自分の感覚だけに頼らず教えられるようになります。

マニュアルは、新人に読ませれば教育が終わるものではなく、最初から細かく完成させる必要もありません。教える内容の土台をそろえ、人による説明の差や伝え漏れを減らすために使うものだと考えています。

新人が最初に覚える仕事や、忙しい時の優先順位、教える人による説明の差を減らす方法については、「アルバイト教育でマニュアルは必要?教える人によって差が出ない職場の作り方」で詳しく整理しています。

3.シフトを埋めるだけでなく、人の組み合わせと負担を見た

定着率を考えるうえで、シフトの組み方も見直しました。

人手が足りない時は、どうしても「空いている時間を誰で埋めるか」が最優先になります。

私自身も以前は、勤務できる人を見つけてシフトを完成させることに意識が向き、その組み合わせで無理なく働けるかまで考えられていないことがありました。

しかし、同じ人数がそろっていても、誰と誰を組ませるかによって、働きやすさは変わります。

特に注意が必要だったのは、新人の最初の勤務と、職場を支えているスタッフへの負担でした。

新人を誰と組ませるかを考えた

新人が続くかどうかは、最初に一緒に働く人から受ける影響も大きいと感じています。

入ったばかりの新人は、仕事の手順だけでなく、

  • どのタイミングで質問すればよいか
  • 失敗した時にどう報告すればよいか
  • 忙しい時に何を優先すればよいか
  • 周囲のスタッフがどのような人なのか

も分かりません。

その状態で、最初から忙しすぎる時間帯に入れたり、教える余裕のないスタッフと組ませたりすると、分からないまま仕事が進んでしまいます。

教える側に悪意がなくても、忙しさから説明が短くなったり、質問への返事が強くなったりすることもあります。

私も以前は、「新人が勤務できる時間」と「人手が足りない時間」が合えば、そのままシフトに入れてしまうことがありました。

しかし、店側にとっては助かる配置でも、新人にとっては、仕事を覚える余裕のない配置になっている場合があります。

そこで、新人の最初の数回は、単なる人手として考えず、

  • 質問に答えられる人と組ませる
  • 可能であれば、極端に忙しい時間帯を避ける
  • 教える側にも余裕があるか確認する
  • 勤務後に困ったことがなかったか聞く

ことを意識しました。

毎回、理想的なシフトを組めるわけではありません。

人手不足の職場では、忙しい時間に新人へ入ってもらわなければならないこともあります。

その場合でも、誰が新人を見るのかを決めておくだけで、放置される状態は減らせます。

新人の最初の勤務では、誰と組ませるかだけでなく、教える側に新人を見る余裕があるかも確認する必要があります。

新人にとって働きやすい組み合わせを作れても、教育を担当するスタッフに負担が集中すれば、職場全体の定着にはつながりません。

頑張る人に負担を偏らせないようにした

もう一つ見直したのが、既存スタッフへの負担です。

新人が辞めることには気づきやすい一方で、安定して働いている人の負担は見落としやすいです。

特に、

  • 仕事が早い
  • 新人にも丁寧に教えられる
  • 急な勤務依頼にも応じてくれる
  • 忙しい時間帯を任せられる
  • 他のスタッフが避ける仕事も引き受けてくれる

という人は、店長にとって頼りになる存在です。

私も、信頼できるスタッフが育ってからは、新人教育や現場の判断を任せる場面が増えました。

そのおかげで店舗運営は楽になりましたが、任せられる人が少ない時ほど、一人に仕事が集中しやすくなります。

本人が不満を口にしていないと、

「この人なら大丈夫だろう」

「いつも引き受けてくれるから、今回もお願いしよう」

と考えてしまいます。

しかし、断らないことと、負担を感じていないことは同じではありません。

責任感が強い人ほど、職場が困ることを考えて、自分の希望より仕事を優先している場合があります。

そこで私は、シフト表を埋めるだけでなく、

  • 急な勤務依頼が同じ人に偏っていないか
  • 新人教育を続けて任せていないか
  • 忙しい時間帯ばかり担当していないか
  • 本人の希望以上に役割を増やしていないか
  • 他のスタッフとの仕事量に差が出すぎていないか

を見るようにしました。

また、任せた仕事に対して、単に「助かった」と伝えるだけでなく、負担になっていないかを確認することも必要でした。

店長側には、一つひとつは小さな依頼に見えても、本人にはそれが積み重なっていることがあります。

定着率を上げるというと、入ったばかりの人を辞めさせないことに目が向きがちです。

しかし、職場を支えている人が疲れて辞めれば、新人を受け入れる余裕も失われます。

新人が続きやすい配置を考えることと、既存スタッフに負担を偏らせないことは、別々の問題ではありません。

支える側にも余裕があるからこそ、新人に落ち着いて教えられ、職場全体が安定しやすくなります。

私の場合も、シフトを「空いている時間を埋める表」として見るのではなく、人の組み合わせと負担を確認するものとして考えるようになってから、職場の問題に早く気づきやすくなりました。

3つを一度に変えられない時は、退職が多い時期から見直す

コミュニケーション、教え方、シフトの組み方に問題があると分かっても、すべてを一度に変えるのは簡単ではありません。

私自身も、人手が足りない中で店舗を回していたため、理想的な教育体制やシフトをすぐに作れたわけではありませんでした。

そのような時は、誰がどの段階で辞めているかを確認すると、優先する部分を決めやすくなります。

新人が入社直後に辞めているなら、最初の数回の勤務や教える人の組み合わせを確認する。

仕事を覚えた人が辞めているなら、役割やシフトの負担だけが増えていないかを見る。

現場を支える人が辞めているなら、急な勤務や新人教育を特定の人に頼りすぎていなかったかを振り返る。

また、退職の穴を店長自身が埋め続けている場合は、目の前の採用だけでなく、店長しかできない仕事が増えすぎていないかも確認する必要があります。

すべてを同時に変えるのではなく、最も退職が多い時期や、最も負担が偏っている人から見直す。

同じ原因で退職が繰り返されている部分を一つずつ減らす方が、現場では取り組みやすいと感じています。

定着率改善は、退職をゼロにすることではない

アルバイトの定着率を上げるといっても、誰も辞めない職場を作ることはできません。

卒業や就職、引っ越し、家庭の事情など、職場の環境とは関係なく退職する人もいます。

仕事内容や勤務条件が本人の希望と合わず、別の職場を選ぶこともあります。

そのため、アルバイトが辞めるたびに、「店長の関わり方が悪かった」と考えすぎる必要はありません。

大切なのは、退職そのものをなくすことではなく、同じような理由で人が辞め続ける状態を放置しないことだと思います。

新人が毎回仕事を覚える前に辞めるのであれば、最初の受け入れ方に問題がなかったかを振り返る。

仕事ができる人ばかり辞めるのであれば、役割やシフトの負担が偏っていなかったかを確認する。

一人の性格ややる気だけで終わらせず、職場側に共通する原因がなかったかを見ることで、次の人が同じ理由で辞める可能性を減らせます。

また、定着率を考える時は、退職する人だけでなく、残って職場を支えている人にも目を向ける必要があります。

人が辞めるたびに、残ったスタッフの仕事量は増えます。

新人教育を任される人も、同じ説明を何度も繰り返すことになります。

その状態が続けば、最初は安定して働いていた人まで疲れてしまいます。

私自身、人が足りない時は、自分がシフトに入れば何とかなると考えていました。

しかし、店長が穴を埋め続けるだけでは、新人を教える時間や、既存スタッフの負担を確認する時間が減っていきます。

目の前のシフトは埋まっても、人が辞めやすい状態そのものは変わりませんでした。

店長が休めない状態から抜け出し、自分がいない時間でも現場が回る状態を作る考え方については、「店長が休めない職場の特徴。自分がいなくても回る状態を作る考え方」で詳しく整理しています。

コミュニケーション、教え方、シフトの組み方を少しずつ見直してからは、各店舗に信頼して仕事を任せられるスタッフが2〜3人育ち、店長だけが新人教育や判断を抱える場面が減っていきました。

ただし、頼れる人が育った後も、その人に仕事を任せすぎないように注意する必要があります。

定着した人を、次の負担の受け皿にしてしまえば、同じ問題を繰り返すことになるからです。

定着率の改善は、誰かを無理に引き止めることではありません。

新人が分からないまま放置されないこと。

頑張る人だけに負担が集中しないこと。

困った時に相談できること。

こうした状態を少しずつ整え、スタッフも店長も無理を重ねずに働ける職場へ近づけていくことだと考えています。

定着率が上がり、仕事を任せられるスタッフが育っても、その人に負担を集中させてしまえば、別の離職につながる可能性があります。

店長だけが新人教育や現場の判断を抱えず、特定の一人にも頼りすぎないための仕事の任せ方については、「店長が一人で抱え込まないために必要な考え方。右腕スタッフを育てる理由」で詳しく整理しています。

まとめ

アルバイトが辞める理由には、卒業や引っ越しなど、店側では変えにくいものもあります。

ただ、同じ時期や同じ立場の人が繰り返し辞めている場合は、本人のやる気だけでなく、職場側にも共通する原因がないか確認する必要があります。

私が定着率を上げるために見直したのは、次の3つです。

  • 仕事の指示だけになっていたコミュニケーション
  • 新人が迷わないための教え方
  • 人の組み合わせと負担を考えたシフト

すべてを一度に変える必要はありません。

まずは、誰がどの段階で辞めているのかを確認します。

新人がすぐ辞めているなら、最初の受け入れ方や教える人を見直す。

仕事を覚えた人や職場を支える人が辞めているなら、役割やシフトの負担が偏っていなかったかを振り返る。

定着率を上げることは、誰も辞めない職場を作ることではありません。

同じ理由で退職が繰り返される状態を少しずつ減らし、新人も既存スタッフも無理を重ねずに働ける職場へ近づけていくことが大切だと考えています。

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