アルバイトに注意するのが苦手な店長へ。感情的にならずに伝える考え方
店長や現場リーダーとして働いていると、アルバイトに注意しなければいけない場面があります。
遅刻が続いている。
勤務中にスマホを見ている。
接客の言い方がきつい。
何度伝えても同じことが改善されない。
他のスタッフから不満が出ている。
本当は伝えた方がいい。
でも、
「嫌われたらどうしよう」
「辞められたら困る」
「強く言いすぎてしまいそう」
「注意した後の空気が悪くなりそう」
と考えて、なかなか言えないこともあります。
私自身も、コンビニフランチャイズの店長として店舗運営をしていた頃、アルバイトへの注意の仕方にはかなり悩みました。
特に言いづらかったのは、普段からシフトに協力してくれているスタッフへの注意です。
人手不足の中で助けてくれている。
急なシフトにも入ってくれる。
普段はよく頑張ってくれている。
そういうスタッフに遅刻が増えてきた時、正直かなり言いづらさがありました。
「いつも助けてもらっているし」
「これを言って機嫌を悪くされたら困る」
「辞められたら、さらにシフトがきつくなる」
そんな気持ちが出てきます。
ただ、店長が注意を避け続けると、別のところに負担が出てしまうこともあります。
この記事では、アルバイトに注意するのが苦手な店長・現場リーダーに向けて、感情的にならずに伝える考え方を整理します。
アルバイトに注意しづらいのは、相手との関係があるから

アルバイトに注意するのが苦手だからといって、必ずしも店長として向いていないわけではありません。
実際の現場では、単純に「悪いことをしたから注意する」と割り切れない場面が多いです。
普段よく働いてくれている。
人手不足の時に助けてくれている。
急なシフト変更にも協力してくれている。
店長自身も、そのスタッフに頼っている。
こういう相手には、どうしても言いづらくなります。
私も、遅刻が増えてきたスタッフに対して、すぐに強く言えなかったことがあります。
もちろん、遅刻はよくありません。
でも、そのスタッフが普段から協力してくれていたことも事実でした。
だからこそ、
「これくらいは自分が我慢すればいいか」
「いつも助けてもらっているし、今回は言わなくてもいいか」
と考えてしまうことがありました。
注意しづらい背景には、相手との関係や、現場の人手不足があります。
だから、注意が苦手な自分を責めすぎる必要はないと思います。
ただし、言いづらいからといって、ずっと放置していいわけでもありません。
注意しないままだと、別のスタッフに負担が寄る
注意しないことは、一見すると優しい対応に見えるかもしれません。
でも、現場では誰かの遅刻やルール違反を、別の誰かがカバーしていることがあります。
例えば、遅刻が続くスタッフがいると、
他のスタッフの休憩が遅れる。
退勤時間がずれる。
本来しなくてよかった作業を誰かが引き受ける。
店長が毎回穴埋めに入る。
こういうことが起こります。
遅刻した本人だけの問題で終わらず、周りのスタッフに負担が広がっていきます。
そして、真面目に時間を守っているスタッフほど、
「なんで自分ばかりちゃんとしないといけないんだろう」
「あの人は何も言われないのかな」
「店長は見ていないのかな」
と感じることもあります。
私も最初の頃は、「自分が我慢すればいい」と考えてしまうことがありました。
でも、それを続けると、結局は自分だけでなく、周りのスタッフにも負担が寄ってしまいます。
注意しないことで、その場の空気は悪くならないかもしれません。
ただ、その裏で真面目に働いているスタッフがしんどくなっている場合もあります。
だからこそ、必要な注意は避け続けない方がいいと思います。
注意は怒ることではなく、基準を伝えること

アルバイトに注意する時に大事なのは、怒ることではありません。
感情をぶつけることでも、相手を言い負かすことでもありません。
注意は、現場で必要な基準を伝えることです。
「何が困るのか」
「なぜ直してほしいのか」
「次からどうしてほしいのか」
この3つを伝えることだと思います。
例えば遅刻であれば、
「なんで遅刻するの?」
「やる気あるの?」
「普通は遅れないでしょ」
と言いたくなる時もあるかもしれません。
でも、この言い方だと、相手の人格ややる気を責める形になりやすいです。
伝えるべきなのは、
「遅刻が続くと、他のスタッフの休憩や退勤に影響が出る」
「遅れそうな時は、分かった時点で連絡してほしい」
「次からはこの形でお願いしたい」
という具体的な行動です。
店長の機嫌で怒るのではなく、仕事上の基準として伝える。
この意識があるだけで、注意の言い方はかなり変わります。
アルバイトとの関わり方や定着率そのものに悩んでいる場合は、タイプ別の関わり方について整理した記事も参考になると思います。
感情的にならないために、注意する前に整理したい3つのこと

注意する時に感情的になりやすいのは、言う内容が整理できていない時です。
「またか」
「前も言ったのに」
「なんで分かってくれないんだろう」
という気持ちのまま伝えると、どうしても言い方が強くなります。
だから、注意する前に次の3つを整理しておくと伝えやすくなります。
何が問題だったのか
まずは、何を注意したいのかを絞ります。
遅刻そのものなのか。
連絡がなかったことなのか。
勤務中にスマホを触っていたことなのか。
接客時の言い方なのか。
他スタッフへの態度なのか。
ここが曖昧なままだと、注意が広がりすぎます。
「最近ちょっとだらしないよね」
「勤務態度がよくないよね」
という言い方になると、相手も何を直せばいいのか分かりません。
注意する時は、できるだけ具体的な行動に絞った方が伝わりやすいです。
なぜ困るのか
次に、その行動によって何が困るのかを整理します。
遅刻なら、他のスタッフの休憩や退勤に影響が出る。
スマホなら、他のスタッフにも示しがつかなくなる。
接客の言い方なら、お客様に不快感を与える可能性がある。
他スタッフへの言い方なら、一緒に働きづらい空気になる。
「ダメだからダメ」ではなく、なぜ困るのかを伝えることが大事です。
理由が分かると、相手も受け止めやすくなります。
次からどうしてほしいのか
最後に、次からどうしてほしいのかを伝えます。
これがないと、注意された側は「怒られた」という印象だけが残ります。
遅れそうなら、分かった時点で連絡してほしい。
スマホは休憩中に見てほしい。
分からないことは自己判断せず聞いてほしい。
接客では、この言い方に変えてほしい。
他スタッフに何か伝える時は、言い方を少し変えてほしい。
ここまで伝えると、注意が改善につながりやすくなります。
そもそも教える内容が人によって違うと、注意する側もされる側も混乱します。
教育内容をそろえる考え方は、「アルバイト教育でマニュアルは必要?教える人によって差が出ない職場の作り方」で整理しています。
言いにくい場面ほど、伝え方を分けて考える

注意が難しいのは、内容によって言い方が変わるからです。
実際の現場では、ただルール違反を伝えるだけでは済まない場面もあります。
普段頑張っているスタッフに注意する。
バイト経験が浅いスタッフに何度も同じことを伝える。
他スタッフから出ている不満を本人に伝える。
マニュアル違反ではないけれど、コミュニケーション上よくない行動を伝える。
こういう場面では、伝え方を少し分けて考えた方がいいです。
普段頑張っているスタッフの遅刻を注意する時
普段からシフトに協力してくれているスタッフほど、遅刻を注意するのは言いづらいです。
私自身も、人手不足の中で助けてくれていたスタッフに遅刻が増えた時、すぐには言えませんでした。
「いつも協力してくれているし」
「これを言って辞められたら困る」
「少しくらいなら自分が我慢すればいいか」
そう考えてしまったことがあります。
ただ、遅刻は本人だけの問題で終わりません。
その分、他のスタッフの休憩が遅れたり、退勤時間がずれたりします。
店長が何も言わないままだと、時間を守っているスタッフの方が損をしているような空気にもなります。
だからこそ、伝える時は感謝を消さずに、でも直してほしい行動ははっきり分けて伝える必要があります。
例えば、こういう言い方です。
いつもシフトに協力してくれているのは、本当に助かってる。
その上で、遅刻が続くと他のスタッフの休憩や退勤に影響が出てしまう。
遅れそうな時は、分かった時点で連絡してもらえると助かる。
ここで伝えたいのは、
「あなたの頑張りは見ている」
「でも、遅刻が続く状態はそのままにはできない」
ということです。
頑張っている部分まで否定しなくていい。
でも、直してほしい部分まで曖昧にしなくていい。
この切り分けが大事だと思います。
普段頑張っているスタッフのスマホを注意する時
勤務中のスマホは、本人に悪気がない場合もあります。
少し時間が空いた。
急ぎの連絡だけ確認した。
周りもそこまで見ていないと思っていた。
本人としては、そのくらいの感覚かもしれません。
ただ、他のスタッフから見ると印象は変わります。
「あの人が見ているなら、自分もいいのかな」
「ちゃんと働いている人だけ損していないかな」
そう見えることがあります。
スマホを注意する時は、長く説教するよりも、基準を短く伝えた方がいいです。
急ぎの連絡がある時は、一声かけてくれたら大丈夫。
ただ、勤務中にスマホを見ている姿が見えると、他のスタッフにも示しがつかなくなる。
基本は休憩中にお願いしたい。
この場合は、本人の性格や普段の働き方を責める必要はありません。
「勤務中はどうするのか」
「例外があるならどう動くのか」
そこをそろえるだけで十分です。
バイト経験が浅いスタッフの接客が改善されない時
バイト経験が浅いスタッフの場合、注意してもすぐに改善されないことがあります。
接客の距離感が分からない。
忙しい時に言い方が雑になる。
お客様に対して、どこまで丁寧に言えばいいのか分からない。
本人に悪気がなくても、お客様から見れば新人かどうかは関係ありません。
ここで大事なのは、「ちゃんとして」と言うだけで終わらせないことです。
例えば、
さっきの言い方だと、少し強く聞こえるかもしれない。
同じ内容でも、「少々お待ちください」と先に言えると印象が変わるよ。
次からその言い方でやってみよう。
このように、ダメだった部分だけでなく、次に使える言い方まで伝えた方が改善につながりやすいです。
接客は、本人の感覚だけに任せると差が出ます。
だからこそ、
「この場面ではこう言う」
「こう聞かれたら、こう返す」
「忙しい時ほど、この一言は入れる」
という形で、具体的に伝えることが大事です。
私自身も、接客の仕方だけでなく、スタッフ同士の感謝や謝罪の伝え方はかなり大事だと感じていました。
「ありがとうございます」
「すみません」
「助かりました」
こういう一言があるかどうかで、職場の空気は変わります。
経験が浅いスタッフほど、そういう細かい部分も言葉にして伝える必要があると思います。
他スタッフから苦情が来ている内容を伝える時
他スタッフから苦情が来ている内容を本人に伝える時は、かなり気を使います。
マニュアル違反ではない。
明確なルール違反とも言い切れない。
でも、一緒に働く上で周りが困っている。
こういう内容は、伝え方を間違えると人間関係のトラブルになりやすいです。
例えば、
言い方がきつい。
頼み方が一方的。
自分の作業だけを優先している。
謝罪や感謝が少ない。
周りがフォローしていることに気づいていない。
こういう時に、
「みんなが言ってるよ」
「あの人が迷惑してるよ」
と伝えると、誰が言ったのかに意識が向きやすくなります。
だから、誰か一人の不満としてではなく、働きやすさの問題として伝えた方がいいです。
少し伝えにくいんだけど、周りとのやり取りで気になる声が出ている。
誰かを責めたいわけではなくて、このままだと一緒に働きにくい空気になってしまう。
頼む時の言い方や、フォローしてもらった後の一言だけ、少し意識してもらえると助かる。
この時も、相手の人格を決めつけない方がいいです。
「性格がきつい」
「思いやりがない」
「周りを見ていない」
と決めつけるより、
「こういう言い方に聞こえている」
「こういう場面で周りが困っている」
「次からここを意識してほしい」
と、行動に絞って伝える方が受け止めてもらいやすいです。
人間関係の注意ほど、感情で伝えるとこじれやすいです。
だからこそ、事実と受け取り方、改善してほしい行動に分けて伝えることが大事だと思います。
人格ではなく、行動に絞って伝える

注意する時に一番避けたいのは、人格を否定する言い方です。
例えば、
「やる気あるの?」
「なんでそんなに適当なの?」
「普通分かるでしょ」
「いつもそうだよね」
こういう言い方は、相手の行動ではなく、人そのものを責める形になりやすいです。
言われた側も、改善点より先に「責められた」という気持ちが残ります。
もちろん、店長側も余裕がない時はあります。
人手不足で、自分も休めない。
同じことを何度も伝えている。
他のスタッフから不満も出ている。
お客様対応にも追われている。
そういう状態だと、ついきつい言い方になりそうな時もあります。
だからこそ、注意する時は行動に絞った方がいいです。
例えば、
今日のこの作業が途中で止まっていたから、終わらない時は一声かけてほしい。
接客中の言い方が少し強く聞こえたから、この場面ではこう言ってほしい。
遅刻が続くと他のスタッフに影響が出るから、遅れそうな時は早めに連絡してほしい。
このように、具体的な行動に絞ると、相手も直すポイントが分かりやすくなります。
注意の目的は、相手を傷つけることではありません。
次からの行動を変えてもらうことです。
また、人前で注意しないことも大事です。
他のスタッフやお客様の前で注意されると、内容よりも「恥をかかされた」という気持ちが強く残ることがあります。
急ぎで止めなければいけない行動はその場で短く伝える必要がありますが、
詳しく話す時は、できるだけ人目の少ない場所で伝えた方がいいと思います。
注意した後は、普段通り接する

注意が苦手な人ほど、注意した後の空気が気になると思います。
言った後に気まずくなる。
相手が落ち込む。
避けられる。
自分も話しかけにくくなる。
そう考えると、注意する前から疲れてしまいます。
でも、注意した後こそ、普段通り接することが大事です。
注意した後に冷たくする。
必要以上に距離を置く。
無視する。
他のスタッフの前で態度を変える。
こういうことをすると、注意された側は「自分は嫌われた」と感じやすくなります。
注意は注意。
普段の関係は普段の関係。
この切り分けが必要です。
もちろん、すぐに明るく接するのが難しい時もあります。
ただ、改善が見えた時には普通に認める。
いつも通り仕事の話をする。
必要以上に引きずらない。
それだけでも、相手は「注意されたけど、関係が終わったわけではない」と感じやすくなります。
注意した後の接し方まで含めて、伝え方だと思います。
なお、注意する側は行動について伝えているつもりでも、受け取る側は必要以上に自分を責めてしまうことがあります。
注意された側の受け止め方については、こちらの記事を参考にしてください。
注意することは、真面目なスタッフを守ることでもある

必要な注意をすることは、相手を責めるためだけではありません。
時間を守っている人、丁寧に接客している人、周りを見て動いている人が、安心して働ける空気を守る意味もあります。
そういうスタッフがいる中で、店長が必要な注意を避け続けると、現場の基準が少しずつ崩れていきます。
「ちゃんとやっても意味がない」
「あの人だけ許される」
「店長は何も言わない」
そういう空気が出てくると、職場全体がしんどくなります。
注意するのは、楽なことではありません。
特に人手不足の職場では、辞められる怖さもあります。
でも、店長が全部我慢して、言うべきことを飲み込み続けても、現場はよくなりません。
必要な注意を、感情的にならず、行動に絞って伝える。
それは、店長自身が抱え込みすぎないためにも、真面目に働くスタッフを守るためにも必要なことだと思います。
注意や教育をすべて店長一人で抱えると、いずれ限界が来ます。
信頼できるスタッフを育てる考え方については、別の記事でも整理しています。
まとめ

アルバイトに注意するのが苦手な店長は、少なくないと思います。
嫌われたくない。
辞められたら困る。
強く言いすぎたくない。
注意した後の空気が悪くなるのが怖い。
そう感じるのは、相手との関係や現場の状況を考えているからでもあります。
ただ、注意しないまま放置すると、真面目なスタッフに負担が寄ったり、現場の基準が崩れたりすることがあります。
注意は、怒ることではありません。
大事なのは、
何が問題だったのか。
なぜ困るのか。
次からどうしてほしいのか。
この3つを整理して、人格ではなく行動に絞って伝えることです。
普段頑張っているスタッフほど、注意は言いづらいです。
でも、感謝していることと、直してほしいことは分けて伝えていいと思います。
注意は、相手を否定するためのものではありません。
次から同じことで困らないように、現場の基準をそろえるためのものです。
店長が一人で我慢し続けるのではなく、必要なことを落ち着いて伝えられるようになると、現場の空気も少しずつ変わっていきます。

