アルバイトがすぐ辞める原因とは?定着率を上げるために私が意識した4つのタイプ
アルバイトとの接し方の難しさ

例えば、
- バイトがすぐ辞めてしまう
- やる気がない
- シフトが埋まらない
などの悩みは、アルバイトが現場を支えている職種の多くで生じる悩みだと思います。
特に少人数でシフトを回すような環境ですと、1人のアルバイトが当日シフト飛んでしまったり、
働ける時間の調整や日にちの調整に非協力的ですと、
店長やオーナーだけでなく、他のアルバイトの働き方にも大きな影響を与えてしまいます。
また、求人や育成には多くのコストがかかるため、
一度採用したアルバイトにはできるだけ長く働いてもらいたいものです。
そのためには、アルバイト全員に同じ接し方をするのではなく、
「相手がどのような考え方で働いているのか」
を理解することが店長やオーナーなどの上司にとって、とても重要なことだと考えています。
本記事では、私がアルバイト教育をする中で考えていた4つのタイプと、定着率を上げるために意識していたことについて紹介します。
アルバイトの接し方はタイプによって変える
アルバイトとの関わり方で私が意識していたことの一つが、「全員に同じ接し方をしないこと」です。
もちろん、ルールや業務内容については全員に同じように伝える必要があります。
しかし、人によって仕事に求めているものや考え方は大きく異なります。
例えば、生活費や学費のために働いている人もいれば、
社会経験を積みたい人、友人が働いていたことがきっかけで始めた人もいます。
そのため、同じ言葉をかけても伝わり方は人によって違います。
実際にアルバイトの教育をしていた頃、
「なぜ伝わらないのだろう」と悩むことが何度もありました。
しかし振り返ってみると、相手に問題があるというよりも、
私自身が相手を理解できていなかったケースも少なくなかったように思います。
もちろん、人を完全に分類することはできません。
ただ、「この人はどのような考え方で働いているのだろう」と相手を理解することは、
接し方や伝え方が調整しやすく、結果的にアルバイト自身にとっても居心地の良い職場になります。
そんなアルバイトのタイプについて、
私は、大きく4つのタイプに分けて考えていました。
- 生活のためタイプ
- 趣味のためタイプ
- 成長タイプ
- 経験タイプ
もちろん人によっては、複数のタイプの特徴を持っていることもありました。
しかし、大まかにでも自分なりに分類して考えることで、
「なぜその行動を取るのか」「どのように接すれば良いのか」が見えやすくなったと感じています。
次からは、それぞれのタイプの特徴や、私が感じていた傾向について紹介していきます。
アルバイトのタイプを見極めるポイント

働く理由
まず大切なのは、「なぜその人が働いているのか」を考えることです。
例えば、
- 学費や生活費のため
- 遊びや趣味のお金のため
- 社会経験のため
- 将来の自分のため
など、アルバイトには、それぞれの目的がありますので、
それぞれの「働く理由」を理解することがアルバイトのタイプを判断するうえで重要になります。
目的が違えば、仕事への価値観も違うため、相手に響く言い方がわかってきます。
主体性
自分から考えたり、行動する人もいれば、指示待ちや最低限しか動かない人もいます。
そのような、主体性の有無についても、よく観察していると、
- 自分で仕事を探す人
- 以前言われた仕事を指示がなくともできる人
- 最低限の仕事しかしない人
- 何をすればいいかわからない人
など、それぞれ主体性がある、またはないように見える理由を言語化できるようになります。
そのため、「やる気がない」と決めつける前に、
なぜそのような行動を取っているのかを考えることも大切だと思います。
環境
仕事の仕方や、仕事への向き合い方は、周りの環境にも影響を受けます。
特に学生アルバイトの人たちは、学校の友人や親の仕事に対する価値観が自然と自身の価値観となっていることがよくありました。
そのため、雑談等のコミュニケーションをとる際に、
- 友人や家族の話
- 過去のアルバイト経験
- ここでアルバイトをしてみた感想
など、さりげなく情報収集をすることが大事だと考えています。
周囲の価値観は本人の働き方にも影響します。
雑談の中で環境を知ることで、その人の考え方が見えやすくなります。
アルバイトの4つのタイプ
| タイプ | 重視するもの | 良い点 | 地雷 |
|---|---|---|---|
| 生活 | 安定収入 | 責任感がある | 評価の不公平 |
| 趣味 | 楽しさ | 職場を明るくする | 楽しさがない |
| 成長 | 成長実感 | 成長が早い | 放置される |
| 経験 | 人間関係 | 素直に学ぶ | 悪い先輩 |
生活のために働く人
特徴
- 定着率が比較的高い
- 指示された仕事には真面目に取り組む
- 安定してシフトに入ってくれることが多い
良い点
- 責任感がある
- 遅刻や欠勤が少ない
- 自分から仕事を探してくれることもある
- 長期間働いてくれる場合が多い
注意点
- 頑張りが評価されないと不満を抱きやすい
- 周囲との仕事量の差に敏感
- 「自分だけ損をしている」と感じると意欲が下がることがある
地雷ポイント
- 頑張りに対する声掛けや評価がない
- 周りとの仕事量に大きな差がある
- 責任だけが増えていく
- 一部の人だけが優遇されているように見える
私の印象
主婦の方や社会人経験のある方に多く見られました。
このタイプの方は、「仕事はきちんとするもの」という価値観を持っていることが多く、指示を待つだけではなく、自分で仕事を見つけて動いてくれる人もいました。
その一方で、周囲との仕事量の差や評価の不公平感には敏感な印象があります。
実際に、周りより多くの仕事をしていると感じている方ほど、「なぜ同じ時給なのか」と疑問を持つこともありました。
そのため、このタイプの方には、感謝や評価を言葉にして伝えることが大切だと感じています。
趣味や遊びのために働く人
特徴
- 明るく元気な人が多い
- 最初はやる気があることも多い
- 新しい仕事を覚えることへの抵抗が少ない
良い点
- 他のアルバイトとのコミュニケーションが活発
- 職場の雰囲気を明るくしてくれる
- 新しい仕事や変化を受け入れやすい
- 前向きに仕事へ取り組んでくれることも多い
注意点
- 目標金額が貯まると熱意が下がることがある
- 趣味への熱意が薄れると働く目的も薄れる
- シフト希望が減ることがある
- 生活のためではないため退職へのハードルが低い
地雷ポイント
- シフトを無理に増やされる
- 趣味や予定を軽視される
- 楽しさや達成感を全く感じられない職場になる
私の印象
このタイプは、最初は意欲的に仕事を覚えてくれる人が多い印象でした。
一方で、生活のために働いているわけではないため、働く目的が無くなったり、
仕事や人間関係が楽しさを感じないと急にシフトが減ったり、退職したりすることもありました。
そのため、無理に責任感を求めるよりも、働く目的を理解しながら接する方が上手くいくことが多かったように思います。
成長のために働くタイプ
特徴
- 自分の市場価値を上げたいと考えている
- 社会経験を積みたいと考えている
- 向上心が高い
- 新しい仕事や知識に興味を持つ
良い点
- 新しい仕事を積極的に覚えようとする
- 指導に前向き
- 仕事への意識が高い
- 職場の中心人物になることもある
注意点
- 成長を実感できないと飽きやすい
- 地道な作業を避けることがある
- 短期間で成果が見えない仕事を嫌うことがある
- 自分が評価されていないと感じると意欲が下がる
地雷ポイント
- 頑張りを認めてもらえない
- 教育や指導の機会が減る
- 自分への期待や関心を感じられなくなる
- 上司が尊敬できないと判断される
私の印象
このタイプは、「もっと仕事を覚えたい」「成長したい」という気持ちを持っている人が多い印象でした。
新しい仕事を覚えることには前向きですが、短期間で成果が見えない仕事や地道な作業には興味を失うこともありました。
また、「期待されている」「評価されている」と感じることで大きく成長する傾向があり、
少し特別な仕事を任せたり、頑張りを言葉で評価したりすると意欲的に取り組んでくれることが多かったです。
そのため、このタイプには「期待していること」や「成長していること」を言葉で伝えることが大切だと感じています。
経験のために働くタイプ
特徴
- 働く目的がまだ明確ではない
- 周囲の影響を受けやすい
- 価値観が変化しやすい
- 働きながら目的を見つけることが多い
良い点
- 先入観が少ない
- 素直に教わってくれることが多い
- 良い環境では大きく成長する
- 将来的に他のタイプへ変化することも多い
注意点
- 働く理由が弱いため退職のハードルが低い
- 人間関係によって意欲が大きく変わる
- 初期の職場環境によって働き方が決まりやすい
- 悪い影響も受けやすい
地雷ポイント
- 放置される
- 仕事を教えてもらえない
- 周囲に手本となる人がいない
- 上司との信頼関係が築けない
私の印象
このタイプは、高校生になったばかりの人や、大学入学後に時間ができた人などに多く見られました。
最初は働く目的がはっきりしていないことも多く、アルバイトを通じて少しずつ仕事への考え方を身につけていく印象があります。
そのため、良い環境で働けば責任感を持って成長しますし、反対に周囲の意識が低い環境では、それが当たり前になってしまうこともありました。
私自身、このタイプの人には仕事内容以上に「誰と働くか」を意識していました。
同じ人でも、最初に関わる人や環境によって大きく成長することがあるためです。
アルバイトの定着率は関わり方で変わる

アルバイトの定着率は、時給や仕事内容だけで決まるものではありません。
実際に私がアルバイト教育をしていた頃も、同じ仕事、同じ時給であっても、長く続く人とすぐ辞めてしまう人がいました。
その違いの一つが、上司や先輩との関係性だったと思います。
自分に興味を持ってくれていると感じる職場は居心地が良くなりますし、反対に誰からも関心を持たれていないと感じる職場は離職につながりやすくなります。
そのため私は、仕事内容を教えるだけではなく、「その人自身を理解すること」を意識していました。
その中でも特に効果があったと感じているのが、まずは2〜3人と本気で向き合うことです。
私自身、全員と同じように関わろうとして失敗した経験がありました。
まずは2,3人の定着を目指す
私は以前、アルバイト全員と同じ熱量で関わろうとしていた時期がありました。
しかし、人数が増えると一人ひとりに使える時間は限られます。
そこで意識したのが、まずは2〜3人と本気で向き合うことでした。
相手に興味を持ち、
- 過去に話した内容
- 相手から聞いた雑談や質問内容
- 得意なこと
- 苦手なこと
- 仕事への考え方
などを覚えるようにしていました。
すると、
「覚えていてくれた」
「自分と向き合ってくれている」
という好印象や信頼が生まれ、困った時に助けてくれたり、新人教育を手伝ってくれたりするようになります。
そして、その2〜3人が職場の雰囲気を作る側になることで、自然と良い価値観が広がっていきました。
結果として、上司一人が頑張るよりも、職場全体の定着率が上がったと感じています。
また、私の場合は、
- 関わりやすい人
- 考え方が分からない人
- 自分とは価値観が異なる人
など、あえて違うタイプの人と向き合うようにしていました。
その結果、アルバイトの定着率だけでなく、職場全体の雰囲気も良くなったと感じていますし、
自分自身の教育力やコミュニケーション能力を高めることにもつながったと思います。
アルバイト教育で上司が意識したいこと

わかりやすい業務マニュアルや給与、福利厚生も大切ですが、それだけで定着率が決まるわけではありません。
私が実際にアルバイト教育をしていた中で感じたのは、上司の日々の関わり方が大きな影響を与えるということです。
アルバイトは仕事を覚えるだけでなく、上司や先輩との関係性の中で仕事への価値観も学んでいきます。
そのため、どのような言葉を掛けるのか、どれだけ相手に関心を持つのか、どのような距離感で接するのかは非常に重要だと考えています。
ここからは、私が特に意識していた3つのことを紹介します。
ひと言を大事にする
上司の何気ないひと言は、想像以上に相手の記憶に残ります。
特にアルバイト経験が少ない人ほど、上司からの評価や言葉を気にしていることが多いと感じていました。
例えば
- 「助かったよ、ありがとう」
- 「前教えたことを覚えてくれてるね」
- 「それは私の指示がよくなかったね」
といった短い言葉でも、意欲が上がる人は少なくありません。
反対に、
- 頑張っても何も言われない
- ミスだけは指摘される
- 当たり前のように扱われる
状態が続くと、徐々に仕事への意欲は下がってしまいます。
私自身、忙しいことを理由に感謝や評価を伝えられていなかった時期もありましたが、
その頃はアルバイトとの距離も少しずつ遠くなっていたように感じています。
もちろん、褒めるだけではなく、改善が必要なことは伝える必要があります。
しかし、注意だけでは人は育ちません。
そのため、相手の努力や成長に気付いた時は、できるだけ言葉にして伝えることを意識していました。
些細なことに気づく、覚える
私は、アルバイトとの会話の中で聞いた内容をできるだけ覚えるようにしていました。
例えば、
- 学校の話
- 趣味の話
- 将来の目標
- 前回相談された内容
などです。
もちろん全てを覚えることは難しいですが、以前話した内容を覚えているだけで、
「ちゃんと話を聞いてくれていたんだ」
と感じてもらえることがあります。
また、
「テストお疲れ様!」
「この前言っていた○○は楽しかった?」
など、一言声を掛けるだけでも相手との距離は縮まります。
さらに、その人の考え方や価値観を知ることで、仕事の教え方も変えやすくなります。
単純に仲良くなるためではなく、その人を理解するために興味を持つことが大切だと考えています。
アルバイトの小さな行動に気づき、それを言葉にして伝えることは、信頼関係づくりにもつながります。
アルバイトを褒めるタイミングや、小さな成功体験を作る方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。
注意できない関係にはならない
一方で、仲良くなることを目的にしすぎないことも大切だと感じています。
私自身、アルバイトと仲良くなりすぎたことで失敗した経験があります。
関係性が近くなりすぎると、
- 注意を軽く受け取る
- 仕事を遊びの延長のように考える
- ミスへの反省が弱くなる
ことがありました。
また、そのような態度は周囲のアルバイトにも影響を与えてしまいます。
アルバイトと良好な関係を築くことは大切ですが、上司と友達は違います。
仲が良いことと、注意できない関係になってしまうことは別問題です。
アルバイトと距離が近くなりすぎると、注意が軽く受け取られてしまうなどの問題も起こります。
上司と友達になりすぎない接し方については、別の記事で詳しくまとめています。
まとめ

アルバイト教育で悩んでいた頃の私は、「どうすれば辞めない人材を採用できるか」を考えていました。
しかし実際には、採用よりも入った後の関わり方の方が重要だと感じています。
人によって働く理由や価値観は異なります。
そのため、全員に同じ接し方をするのではなく、相手を理解しながら関わることで、仕事への意欲や定着率は大きく変わると感じてきました。
また、職場の雰囲気は上司一人で作るものではありません。
まずは2〜3人でも信頼できるアルバイトと向き合い、その人たちが良い影響を周囲へ広げてくれる環境を作ることが大切だと思います。
今回紹介した4つのタイプは、あくまで私自身がアルバイト教育をする中で整理していた考え方です。
もちろん実際には複数の特徴を持つ人もいますし、働く環境によって考え方も変わります。
だからこそ、「この人はどんな理由で働いているのだろう」と考えることが、良い関係づくりや定着率向上の第一歩になるのではないでしょうか。
なお、この記事ではタイプごとの特徴を中心に紹介しましたが、実際にはタイプによって効果的な接し方や育成方法も異なります。
そのあたりについては、今後別の記事で私の経験をもとに紹介していきたいと思います。
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次の記事では、私が実際に関わったアルバイトの事例をもとに、
「やる気がない」と決めつけなくなった理由や、現在意識している接し方についてまとめています。
また、やる気がないように見える人の中には、何をすればいいか分からず、指示待ちになっている人もいます。
指示待ちアルバイトへの接し方や、自分から動けるようにする教え方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
