アルバイトの定着率を上げるために見直したこと 人が辞める職場で変えた3つのポイント
アルバイトが辞める原因は、本人のやる気だけではない

アルバイトがすぐ辞めてしまうと、
「最近の子は続かない」
「やる気がないのかな」
「せっかく教えたのに、また辞めてしまった」
と思ってしまうことがあります。
私自身も、店舗運営をしていた頃、アルバイトの定着率にかなり悩んでいました。
人を採用しても、なかなか続かない。
新人が入っても、慣れる前に辞めてしまう。
シフトが埋まらず、結局自分が長時間店舗に立つ。
そんな時期がありました。
当時は、「人が足りないなら自分が入るしかない」と考えていました。
実際、自分が休みなく働いたり、長時間店舗に残ったりして、何とか現場を回していたこともあります。
でも、店長が無理をして穴を埋め続けても、定着率そのものはなかなか良くなりませんでした。
人が辞めるたびに採用する。
新人が入るたびに一から教える。
でも、また辞めてしまう。
この繰り返しになると、店長もスタッフも疲れていきます。
あとから振り返ると、アルバイトが辞める原因は、本人のやる気だけではありませんでした。
もちろん、本人の事情で辞めることもあります。
学校、家庭、引っ越し、体調、別の仕事。
店側ではどうにもできない理由もあります。
ただ、店側で見直せる部分もあります。
私の場合は、特に次の3つを見直してから、少しずつ店舗運営が安定していきました。
- コミュニケーションの取り方
- 教え方やマニュアル
- シフトの組み方
今回は、アルバイトの定着率を上げるために私が見直したことを、実体験をもとにまとめていきます。
1.コミュニケーションの取り方を見直した

最初に見直したのは、アルバイトとのコミュニケーションでした。
以前の私は、仕事の指示や注意はしていても、相手の状態をきちんと見る余裕があまりありませんでした。
忙しい時間帯は、どうしても
「これやって」
「次はこれお願い」
「そこ違うよ」
というやり取りが中心になります。
もちろん、業務上の指示は必要です。
ただ、それだけだと、アルバイトからすると「作業を振られているだけ」に感じやすくなります。
特に新人や経験の浅いスタッフは、仕事そのものよりも、
「自分はここにいていいのか」
「怒られないかな」
「ちゃんとできているのかな」
という不安を抱えていることがあります。
その不安に気づかないまま仕事だけを教えても、職場に馴染む前に辞めてしまうことがあります。
仕事以外の小さな会話を増やした
私が意識したのは、仕事以外の小さな会話を少し増やすことでした。
たとえば、
「学校忙しい?」
「今日は何時まで授業だった?」
「最近シフトきつくない?」
「昨日の時間帯、大丈夫だった?」
このくらいの軽い会話です。
深く踏み込みすぎる必要はありません。
むしろ、無理に距離を詰めすぎると、上司と友達のようになりすぎて注意がしづらくなることもあります。
ただ、仕事の話しかしない関係だと、相手の変化に気づきにくくなります。
少し会話をしていると、
「最近疲れていそうだな」
「学校が忙しそうだな」
「この時間帯は少し負担が大きそうだな」
といったことに気づきやすくなります。
辞める前には、何かしらサインが出ていることもあります。
表情が暗い。
返事が少なくなる。
シフトに入りたがらなくなる。
ミスが増える。
周りと話さなくなる。
こうした変化に早めに気づけるかどうかで、対応は変わります。
「見ている」と伝わるだけで安心感は変わる
アルバイトにとって、店長や上司に見てもらえているかどうかは意外と大きいです。
頑張っても何も言われない。
困っていても気づいてもらえない。
ミスした時だけ声をかけられる。
この状態が続くと、職場への気持ちは少しずつ下がっていきます。
逆に、
「さっきの対応助かったよ」
「最近、前より落ち着いてできるようになってきたね」
「忙しい時間帯もよく見てくれてたね」
といった一言があるだけで、本人の受け取り方は変わります。
私も最初は、できていないところに目が行きがちでした。
でも、続けてもらうためには、できている部分にも目を向ける必要があります。
褒めるというより、「ちゃんと見ている」と伝える感覚に近いです。
この積み重ねで、アルバイトが相談しやすくなったり、少しずつ自分から動いてくれるようになったりしました。
2.教え方やマニュアルを見直した

次に見直したのは、教え方やマニュアルです。
アルバイトが辞める原因の一つに、「何をすればいいか分からない」という不安があります。
仕事を覚える前の新人にとって、職場は分からないことだらけです。
どこに何があるのか。
誰に聞けばいいのか。
どの作業を優先すればいいのか。
どこまで自分で判断していいのか。
これが曖昧なままだと、新人は毎回緊張しながら働くことになります。
私も以前は、教える内容をスタッフごとに任せすぎていた時期がありました。
もちろん、既存スタッフに教えてもらうこと自体は悪いことではありません。
店長がすべての新人に付きっきりで教えるのは現実的に難しいです。
ただ、教える基準が揃っていないと、新人は混乱します。
ある人には「このやり方でいい」と言われたのに、別の人には「それは違う」と言われる。
昨日教わったことと、今日言われたことが違う。
忙しい時に質問したら、少し強めに返される。
こういうことが重なると、新人は「自分は向いていないのかも」と感じやすくなります。
教える内容の基準を揃えた
そこで、最低限の作業手順や優先順位は、できるだけ揃えるようにしました。
細かい個人のやり方まで全部統一する必要はありません。
でも、新人が迷わないための基準は必要です。
たとえば、
- 最初に覚えてほしい作業
- 忙しい時に優先する作業
- 分からない時に聞く相手
- ミスしやすいポイント
- 勝手に判断しない方がいいこと
こうした部分を共有しておくだけでも、新人の不安は減ります。
マニュアルも、完璧なものを作ろうとすると大変です。
最初から分厚い資料を作る必要はありません。
まずは、新人が最初の数回の勤務で困りやすいことをまとめるだけでも十分です。
「何から覚えればいいか」が見えると、新人は少し安心できます。
教えた後の確認を入れるようにした
教えたつもりでも、相手が理解しているとは限りません。
私も以前は、「説明したから大丈夫」と思ってしまうことがありました。
でも、新人側からすると、説明された直後は分かった気がしても、実際にやってみると分からないことが出てきます。
そこで、仕事終わりや落ち着いたタイミングで、
「今日やってみて分かりにくかったところある?」
「ここは次もできそう?」
「今日の中で一番不安だった作業はどれ?」
と聞くようにしました。
この確認を入れると、新人がどこでつまずいているのか分かりやすくなります。
また、本人も「分からないことを聞いていいんだ」と思いやすくなります。
新人教育は、最初に一度教えて終わりではありません。
教える、やってもらう、確認する、少し修正する。
この繰り返しで、少しずつ仕事が身についていきます。
3.シフトの組み方を見直した

定着率を考える上で、シフトの組み方もかなり影響します。
アルバイトが辞める時、理由としては
「学校が忙しくなった」
「家庭の事情で」
「別の仕事が決まった」
と言われることがあります。
もちろん、それが本当の場合もあります。
ただ、その裏に「働きづらさ」や「負担の偏り」が隠れていることもあります。
私自身、店舗が不安定だった頃は、シフトを埋めることに必死でした。
人が足りない。
この時間帯に入れる人がいない。
新人を入れたいけど、教えられる人がいない。
そうなると、どうしても頼れる人に負担が寄りやすくなります。
できる人に多く入ってもらう。
新人を忙しい時間帯に入れてしまう。
相性をあまり考えずに組んでしまう。
その場ではシフトが埋まっても、長い目で見るとスタッフが疲れてしまいます。
新人を誰と組ませるかを考えるようにした
新人が続くかどうかは、最初に一緒に働く人の影響も大きいです。
最初の数回の勤務で、
「聞きやすい」
「教えてもらえる」
「失敗してもフォローしてもらえる」
と思えれば、職場への不安は減ります。
逆に、最初から忙しすぎる時間帯に入ったり、教える余裕がないスタッフと組んだりすると、新人は一気に不安になります。
私も、以前は「入れる時間に入ってもらう」ことを優先しすぎていた時期がありました。
でも、それだと新人が育つ前に疲れてしまうことがあります。
そこで、新人を入れる時は、
- 最初はできるだけ教えられる人と組ませる
- 忙しすぎる時間帯だけに入れない
- 質問しやすいスタッフと一緒にする
- 仕事終わりに軽く振り返る時間を作る
ということを意識するようになりました。
新人の最初の数回は、単なるシフトではなく、定着するかどうかに関わる時間です。
ここを雑に組んでしまうと、後から取り戻すのが難しくなります。
頑張る人に負担が偏らないようにした
定着率を上げるには、新人だけでなく、既存スタッフの負担も見る必要があります。
よくあるのが、「できる人」に仕事が集まりすぎる状態です。
仕事が早い人。
責任感がある人。
新人に優しく教えられる人。
急なシフト変更にも協力してくれる人。
こういうスタッフは、店長からすると本当に助かります。
ただ、助かるからといって頼りすぎると、その人が疲れてしまいます。
私も、信頼できるスタッフが育ってから店舗運営がかなり楽になりました。
ただ、その分、一人に負担が寄りすぎないように見る必要がありました。
「できる人だから大丈夫」と考えるのではなく、
「この人に負担が寄りすぎていないか」
「新人教育を任せすぎていないか」
「本人の希望以上にシフトを入れていないか」
を見るようにしました。
定着率を上げるには、辞めそうな人だけを見るのではなく、頑張って支えてくれている人を守る視点も必要です。
支えてくれるスタッフが疲れて辞めてしまうと、店舗全体が一気に不安定になります。
定着率が上がると、店長もスタッフも楽になる

アルバイトの定着率が上がると、単に人手不足が解消されるだけではありません。
店長の負担も減ります。
新人教育に追われ続けることが減る。
シフトの穴埋めに振り回されにくくなる。
既存スタッフも、毎回新人に一から教える負担が減る。
現場の空気も落ち着きやすくなる。
私自身、各店舗に信頼できるスタッフが2〜3人育ってから、店舗運営はかなり変わりました。
それまでは、自分が何とかしないといけないと思っていました。
でも、スタッフが育ち、職場の基準が少しずつ揃ってくると、自分一人で抱え込む場面は減っていきました。
定着率を上げるというのは、単に「辞めないようにする」という話ではありません。
働く人が不安を抱えたままにならないようにすること。
教える人によって言うことが違いすぎないようにすること。
頑張る人に負担が偏りすぎないようにすること。
こうした積み重ねが、結果として人が続きやすい職場につながっていきます。
まとめ

アルバイトが辞める理由は、本人のやる気だけではありません。
もちろん、本人の事情で辞めることもあります。
ただ、店側で見直せることもあります。
私が定着率を上げるために見直したのは、主に次の3つです。
- コミュニケーションの取り方
- 教え方やマニュアル
- シフトの組み方
仕事の指示だけでなく、相手の状態を見る。
教える内容の基準を揃えて、新人が迷いにくい状態を作る。
シフトを埋めるだけでなく、新人や既存スタッフの負担を考える。
こうしたことを見直してから、少しずつ店舗運営は安定していきました。
店長が一人で頑張り続けても、定着率はなかなか変わりません。
人が続きやすい職場にするには、スタッフが安心して働ける仕組みと関係性を作っていく必要があります。
最初から完璧な職場にする必要はありません。
まずは、今の職場で人が辞めやすくなっている原因を一つずつ見直していくこと。
その積み重ねが、アルバイトが続きやすい職場づくりにつながっていきます。
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